気持のいい文字の羅列に目がくらみ吸い寄せられてしまった。『日刊サイゾー』(2017年6月4日配信)である。ざっくりご覧いただこう。
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【とんねるず・小倉智昭はアウト! フジテレビが、ついに“史上最大のリストラ”を敢行!?】
フジテレビの亀山千広社長が事実上の更迭に追い込まれ、新社長に宮内正喜氏が就くことが決まった。これにより、フジテレビには“史上最大規模の大リストラ”が敢行される見込みだという。
「フジの制作スタッフの平均年収は2,000万円といわれ、40代で年収3,000万円の局員もいる。そこにメスを入れ、“テレ東よりも給料が安い”とされる日本テレビをモデルにしたいようです。さらに、凋落の原因との声が上がっているコネ入社も廃止されるといいます」(テレビ関係者)
ビクビクしているのは局員だけではないようだ。フジテレビ関係者が明かす。
「すでに局員には、ギャラの高いタレント、フリーアナ、コメンテーター、放送作家らのリストを出すように指示が下っていて、制作費の高い番組は片っ端から排除されるのが確実です。タレントでは、とんねるずや小倉智昭はほぼ間違いなくアウト。『めちゃ×2イケてるッ!』や月9ドラマも終了となるでしょうね」
いずれも、これまで改編期のたびに降板や打ち切りがささやかれていたが、亀山社長との関係性から生き延びてきたといわれている。しかし、今後は一切のタブーがなくなるという。その理由は、新社長のこんな決意にも表れている。
「宮内さんは社長就任の話が出た際に、日枝久会長ほか、誰にも自分のやり方に口出しさせないという条件を付けたそうです。その代わり、2年間で結果を出す。結果が出なかった場合は自ら社長を辞任すると、腹をくくっているといいます。すでに73歳で失うものはありませんから、大ナタが振るわれるのを局員は覚悟していますよ」(同)
昨今は「ウジテレビ」と揶揄されるフジテレビだが、その“ウジ”を一掃することで、かつての栄光を取り戻すことができるだろうか?
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フジテレビといえば、『ワイドナショー』でデッチ上げネタTweetをスタジオ・ジブリの宮崎駿(76)本人の発言として取り上げ、メインキャストの松本人志が「今後、こういうことがあった時は、僕はこの番組を降りる」と宣言するというワケのわからない展開を見せているテレビ局である。
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テレビ番組の不祥事の責任を一介の出演者、タレントがとるという話は聞いたことがない。最終的にはもちろん局、番組プロデューサーの責任である。であるからミスが発覚した時点で局としての対応が必要だったのである。どこに問題があり、今後ふたたび起こらないようにどう対策を立てていくのか。聞きたいよねえ。
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けれどもフジテレビは公式サイトに簡単な「お詫び」を掲載して終り。『HuffPost Japan 』などの追加取材にも「回答できない」の一点張りである。そんな広報部ならいらないよねえ。番組で紹介して笑いものにした「引退宣言」7本のうち少なくとも5本がデッチ上げのネタTweetからのものだったと確認されているのに。ねえ。
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でもって、これではどうも世間的にも釈然としないという雰囲気を察して松本人志が制作スタッフに脅しをかけるカタチで幕引きをしたわけである。松本人志、いってしまえばプロデューサーを庇ってやったのである。案外、世渡り上手である。
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ああ、そういえばもう2年も前のことになる。2015年6月11日放送の『とんねるずのみなさんのおかげでした』で、森三中の黒沢かずこが、「いつからテレビはこんなになっちまったんだ?」「変えてやろうって気持ちで、何で制作やらねえんだよ!」「悔しくないの!?このテレビ業界に対して!」と叫んでプロデューサーのほほを何度も平手打ちしたことがあった。
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はい、ぜんぜん。ぜんぜん悔しくないの。だからそれからの2年間でもなにも変わらずダラダラと後退し続けてきたのよ。もうモラルハザードなのよ。ぶってぶってなのよ。
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こんなフジテレビが今度こそ劇的に変われるのであろうか? 申しわけないけれども難しい。
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新社長に就任が予定されている宮内正喜(73)は1967年入社、主に編成・事業部門を中心に歩んできたプロパー(生え抜き)である(Wikipedia)。社内外の人間関係や慣習にとらわれて融通が利きにくいのがプロパーというものであるから、この人物をピックアップした時点でフジテレビ改革の本気度はそこそこだろうなあ、と思ってしまうのである。マジメに改革を断行しようとするなら社外から連れてくる。
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しかも宮内正喜の前職はBSフジ社長であり、今回その後釜に座るのが亀山千広(60)なのである。社長の交換。なんだかひど〜くぬる〜い感じがしやしませんか? Wikipediaによる限り、宮内正喜のこれまでの実績といえばイオンモール岡山に『OHKまちなかスタジオミルン』を開業させたくらいみたいだし。
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前掲の『日刊サイゾー』によれば「ギャラの高いタレント、フリーアナ、コメンテーター、放送作家らのリストを出すように指示」しているようであるから、ととりあえずコストカッターとしてがんばろ、という気持なのであろう。現状のままコストカットだけをすすめていけば、いまでもなけなしのやる気がさらに失われると思うのだけれども。
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いやいや、とりあえず「とんねるず・小倉智昭はアウト!」になってくれればそれでいいのである。この方々はホントに「ついに“史上最大のリストラ”」とされていることが不思議で腹立たしいくらいのポンコツなのである。私にいわせていただければ。宮内正喜にとんねるずと小倉智昭(70)を切れるのか?
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予想するのは簡単である。前任プロパー・亀山千広の社長時代の実績を見ればよい。こういう会社はそんなもの。
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〈亀山千広が終了させた番組〉
2013年 社長就任
2014年 『森田一義アワー 笑っていいとも!』
2015年 『ニュースJAPAN』『FNNスーパーニュース』
2016年 『ライオンのごきげんよう』『すぽると!』
2016年 東海テレビ制作昼の帯ドラマ(『真珠夫人』・『はるちゃん』など)
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そうそう、亀山千広が社長になったときにも今回と同様「大規模な組織改革が!!」と騒がれたものだったんじゃ。前評判はいつも勇ましいのう。
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で、上記リストをなぞって勝手にあてはめて行くとこんな感じになる。
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◆『とんねるずのみなさんのおかげでした』 → 『森田一義アワー 笑っていいとも!』
◆ 小倉智昭 → 『ライオンのごきげんよう』小堺一機(61)
◆『めちゃ×2イケてるッ!』 → 『ニュースJAPAN』『FNNスーパーニュース』
◆ 月9ドラマ → 東海テレビ制作昼の帯ドラマ、『すぽると!』
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前任の亀山千広にやれたことが私にもできないわけがない、てなわけで、たぶんこれらの番組は消えていくであろう。その時期は、これも前例にならって来年から。その前に担当プロデューサーも更迭せにゃならんし。
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危機を感じてか、とんねるず石橋貴明(55)の妻・鈴木保奈美(50)がただいま激しく営業活動中という話もある。(「日刊ゲンダイDIGITAL」2017年6月4日配信【夫・石橋貴明が指示? 鈴木保奈美いまさら“猛営業”のワケ】)
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ポンコツは消える。しかしそれでフジテレビが再生できるかは別問題である。ゲスな野次馬としては再生していただきたい気持とぜひこのままさらにグズグズになっていただきたい気持とがせめぎあう。いや、ぜひグズグズ道をひた走っていただきたい。テレビ時代の終焉のひとつの象徴として。
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いまのフジテレビならそれも名誉なんじゃないのー、と勘違いしてしまいそうだけれども。(了)
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