2017年6月30日金曜日

判決は今日だけれども、たぶん真実は遠い門真市バラバラ殺人



2015年12月に大阪府門真市で起きたバラバラ殺人事件の判決が今日(2017年6月30日)、いい渡される。最近のニュースでは“バラバラ殺人事件”ではなくて“遺体切断事件”と表記されることが多いので、ついしばらく見逃していた。



さらに被告人の森島輝美(31)も長田輝美に改姓していたのである。改姓の理由はわからないけれども、家族や親族に迷惑がおよぶことを懸念して別姓に変更するというのはそうめずらしいことでもないらしい。



おバカタレントと呼ばれる重盛さと美(28)の場合はあまりのバカさ加減を恥ずかしがって、本人ではなく家族のほうが改姓したということである。



ちなみに被告の新しい姓になった「長田」は大阪府東大阪市の地名にあり、それは事件が起きた大阪府門真市から南へ約5kmほどの位置である。もし新しい姓をこの地名の「長田」からとったのだとすれば、まさか「門真」にするわけにもいかないので近所の「長田」にしておくか、くらいの投げやりでしかし懲罰的な印象も漂う、たいへん寒々しい感じがあるのである。



この謎の多い事件については2015年から2016年にかけてこのブログでも何度か取り上げ検討している。しかしいまだ腑に落ちない点はいくつかある。それらをもう一度整理してみたい。



まずは改めて事件と裁判の争点をざっくり把握していただくために『産經新聞』(2017年6月9日配信)の記事をご紹介しよう。すでにご承知の方はもちろん飛ばしていただいてけっこうである。



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【門真切断遺体 猟奇的事件、直接証拠ない中で否認の強盗殺人罪成否が争点…】



《 大阪府門真市のマンションで平成27年、アルバイト店員の渡辺佐和子さん=当時(25)=の切断遺体が見つかった事件で、強盗殺人や死体損壊などの罪に問われた無職、森島(長田に改姓)輝実被告(31)の判決が30日、大阪地裁(柴山智裁判長)で言い渡される。被告は遺体の切断・遺棄について認める一方、殺害は一貫して否認している。求刑は無期懲役。殺害に結びつく直接証拠がない中、裁判員の判断が注目される。

 

◆「猟奇性」大きな特徴



「涙も鼻水も止まらず、途中からは覚えていない。なんでそのままの状態で(遺体を)お返しできなかったのか、激しく後悔している」


遺体を損壊した当時の心境について、森島被告は被告人質問でこう供述した。


自身のマンションで渡辺さんの遺体をバラバラにしたうえ、圧力鍋でゆでたり生ごみ処理機にかけたりした。この猟奇性が事件の大きな特徴になっている。


検察側は「証拠隠滅を図り、被害者の失踪を装う完全犯罪を企てた」と指摘。渡辺さん殺害の事実を隠すために遺体を損壊する必要があったとの見方だ。


 
検察側は切断された遺体のうち、うなじや眉毛部分に鬱血痕がみられたとして、専門家の鑑定により死因を「頸部(けいぶ)圧迫による窒息死」と断定。病死や自殺をうかがわせる事情もないとした。


被告の関与については(1)事件前に「人間解体」「死体の廃棄方法」など犯行を想定したキーワードでインターネットを検索していた(2)遺体発見後も119番せず、渡辺さんの携帯からなりすましのメッセージを送信する失踪工作を行った-などの状況証拠を挙げ、殺害も実行したと主張。門真市内のシェアハウスで27年8~11月ごろまで同居していた渡辺さんの名義を勝手に使って借り入れた約60万円など、返済のめどが立たない多額の借金の存在が動機になったとした。

 


◆隠そうとする性格



一方の弁護側は、まず遺体を損壊した理由について「(渡辺さんの死が発覚することで)周りの人を悲しませたくなかったからだ」と弁明した。



被告は母親の同居相手による性的虐待を受けて育ったが、母親を悲しませたくないとの思いから虐待を打ち明けることができなかったという。こうした生い立ちから、悲しい出来事(渡辺さんの死)を隠そうとする性格特性があると訴えた。


渡辺さんの死因については「突然死か第三者の犯行の可能性を否定できない」と反論。自宅マンションに一緒に戻ったことは事実だが、被告は渡辺さんを残していったん外出、再び帰宅して倒れている渡辺さんを発見するまで「約15分間の空白」があったと主張している。



またネット検索については、遺体を遺棄するシーンがあるドラマを見たのがきっかけだったとし、「被告はグロテスクなものが好きでネット中毒。検索は日常のことで、殺害計画と結びつけるのは飛躍だ」としている。また借金はあったが督促はなく、殺害してまで金を奪う動機はなかったと訴えている。


起訴状によると、森島被告は27年12月24日夜から翌25日昼ごろまでの間、門真市内の当時の自宅マンションで渡辺さんの首を圧迫して殺害。キャッシュカードを奪って10万円を引き出し、遺体を損壊・遺棄したとしている。》

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今回の記事ではじめて目にしたのは、弁護側が「自宅マンションに一緒に戻ったことは事実だが、被告は渡辺さんを残していったん外出、再び帰宅して倒れている渡辺さんを発見するまで『約15分間の空白』があったと主張している。
」の部分である。



外出先は以前に被害者と同居していたシェアハウスだったという記述がどこかにあったと思うのであるけれども、その記事が出てこない。ともあれそのシェアハウスと死体損壊の現場となった森島輝実の自宅マンションとは約300mしか離れていない。15分あれば往復することはできる(所要時間は往復8分〜9分程度)。



そして弁護側はこの15分間に「突然死か第三者の犯行」が起こったと主張する。第三者が15分間のうちに殺人を犯し、帰ってくる森島輝実に姿を見られずに逃走するには、ほとんど部屋に入った直後に襲いかかるといった感じでなければならないであろう。



だとすれば「第三者」ははじめから殺意を抱いて部屋を訪れたか、あるいは訪問直後に騒ぎ立てられて犯行におよんだか、というようなことになる。しかも「第三者」はどこかで森島輝実が出ていくのを待ちかまえ、外出を確認してすぐ部屋の前に立ったというくらいのタイミングが必要だ。



事件当夜に悲鳴、あるいは大きな物音を聞いた者がいるという話は報道されている範囲では出ていない。それはそんなに素早く、粛々と実行されたのであろうか?



2016年1月3日のブログにいちおうの最終的な推理を書いた。その要点を、少し長くなるけれどもご覧いただきたい。拙い文章でわかりづらい部分はこっそり訂正させていただいている。



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【大阪府門真市での死体損壊および死体遺棄事件の経緯】
    ※印はどの時点でのことかわらない情報である。


●2015年11月下旬 森島輝実容疑者(29)が、事件の被害者だとされている渡邊佐和子(25)さんと同居していたシェアハウスから、1人だけ転出する

シェアハウスの家賃は月額3万円。3階建てで入居者それぞれの個室があり、台所や浴室を共同利用する形態である。事件前、男女6〜7人が生活していたという

●森島輝実容疑者は、シェアハウスを転出したあとも、部屋に自分の荷物を残していた

●12月24日 午後7時1分、森島輝実容疑者の自室マンション付近の防犯カメラに、渡邊佐和子さんと森島輝実容疑者の2人が、マンションのエレベータで3階へ上がっていく姿が確認される。これ以降、渡邊佐和子さんは行方不明に。マンションから外へ出たようすもない

●12月24日 森島輝実容疑者や渡邊佐和子さんなど、複数の友人で企画していたクリスマスパーティが、当日になって急遽、中止される。予定されていた会場は森島輝実容疑者のマンションの自室である

●司法解剖の結果、渡邊佐和子さんの死因は窒息死であり、死亡推定時刻は24日〜25日のあいだである

●24日と25日、渡邊佐和子さんの携帯電話から家族や複数の知人に対し、「心配しないで」という趣旨のメールや無料通信アプリのメッセージが送られる。捜査本部は森島輝実容疑者が事件の発覚を免れようと、渡邊佐和子さんになりすまして送った疑いがあるとみているらしい

※渡邊佐和子さんの携帯電話や行方不明になった12月24日当日の衣服は発見されていない

●12月25日 午後、渡邊佐和子さん名義のキャッシュカードで十数万円が引き出される

●12月25日 午後2時ごろ、自宅近くのホームセンターに森島輝美容疑者が1人で来店。塩酸入りの強力な洗浄液を3ℓ購入。この洗浄液の容器はマンションの自室浴室で見つかっている。店ではほかに小型冷凍庫、折りたたみ式ノコギリ、まな板、バケツ、ポリ袋など約3万6000円分の商品を購入している

●12月25日 夜、渡邊佐和子さんの父親から門真署に「『24日夜から(娘と)連絡が取れない』、と娘の友人から連絡があった」と電話での相談がある。その後、愛媛県警に行方不明者届けが提出される

●12月28日 午後、警察が、渡邊佐和子さん名義のキャッシュカードで十数万円が引き出されている防犯カメラの映像を手がかりに、森島輝美容疑者から任意の事情聴取を行う。このとき森島輝美容疑者は
「渡邊佐和子さんとクリスマスイブに自宅でクリスマスパーティの準備をしていたが、1度シェアハウスにいっているあいだにいなくなってしまった」「引き出した現金は、買い物中に頼まれたので引き出したもの」
などと話した。しかし矛盾点が多かったという

●12月29日 未明、警察が森島輝実容疑者(29)の自室を、渡邊佐和子さん名義のキャッシュカードを無断で使い、現金十数万円を引き出した窃盗容疑で家宅捜索。頭蓋骨、背骨、腰の骨など複数の人骨を液体を張った浴槽のなかで、また小分けにした肉片が小型冷凍庫から見つける。同時に包丁やノコギリも押収される

※血の付いた生ゴミ処理機も押収される

●12月29日 森島輝実容疑者を死体損壊および死体遺棄容疑で逮捕
「部屋には頭蓋骨と肉片がありますが、いまは話したくありません」と供述

※マンションの浴室から集中的に血液反応が検出された

※森島輝実容疑者が11月下旬まで被害者と一緒に住んでいたシェアハウス2階の居室の押し入れのなかに、複数のナイロン袋に小分けされた両手足が紙袋に包まれた状態で隠されているのが発見される。また1階共有部分にある台所の物入れからも、遺体の一部が見つかった

[附記]
渡邊佐和子さんはシェアハウスの副管理人として、住人の家賃徴収や入退居の管理を任されていた。シェアハウスの関係者は「2人は仲が良かったと聞いている」と語っている

親族らによると、森島輝実容疑者は幼いころ中国地方で暮らし、今年8月に岡山から大阪へ転居している。スマートフォンのアプリなどに使われるキャラクターをパソコンで制作する仕事をしていた。人なつっこく、最近も悩んでいるようなようすはなかった

森島輝実容疑者の親族の女性は「『正月もみんなで会えたらいいね』と話したばかりだった。何が起きたのか」と戸惑った様子だった。別の親族の男性は「約1週間前に『元気ですか』と電話をくれた。事件は信じられない」と語った。(以上の談話は毎日新聞デジタル版)

シェアハウスで生活している男女6〜7人は、報道の取材に対して「なにも話せない」と答えている。



【疑問と回答】


さて、前回の反省を踏まえて、再度この事件のあらましを考えてみよう。まずは浮かんでくる疑問への、現時点での回答である。



(疑問1)
死体の解体、隠滅作業は森島輝実容疑者のマンションの部屋、とくに浴室で行われていたようであるのに、なぜシェアハウスにも切断された両手足などが隠されていたのか?

〈回答1〉
解体された死体の一部は生ゴミ(門真市では普通ゴミ)として捨てられたのではないか。その場合、1ヵ所で1度に大量の生ゴミを出すと怪しまれるので約300m離れたシェアハウス近くのゴミステーションも利用し、さらに何回かに分けたのである。森島輝実容疑者は岡山から大阪へ転居してまだ4ヵ月あまりである。この周辺ぐらいしか土地勘がなかったであろう。


門真市のホームページで確認すると、森島輝実容疑者のマンションが建つ地域での普通ゴミ(生ゴミなど)の収集日は、毎週月曜日と木曜日である。日付で見ると、年内は渡邊佐和子さんが行方不明になった12月24日(木)、28(月)、31日(木)、年が明けて1月4日(月)である。シェアハウスのほうは住所がわからなかったので確定できない。いずれにしろ、逮捕されるまでには、両方の現場でゴミとして少なくとも1回ずつは捨てられた可能性がある。

捨てられたのは、おそらく、マンション浴室で見つかった頭蓋骨、背骨、腰骨以外の骨であると思われる。肉片については小型冷凍庫に収納されていたほか、生ゴミ処理機でも隠滅されているはずである。伝えられている森島輝実容疑者の「部屋には頭蓋骨と肉片がありますが、いまは話したくありません」という供述からもそれが窺える。

シェアハウスに隠されていた両手足というのは、それ以上の解体も生ゴミ処理機による乾燥処理もしにくい部分であるはずである。また、人体の一部と見分けられやすいうえ、指紋、掌紋などで本人が特定される可能性も高い。それでなんとなく後回し、別扱いになったと思われるのである。

ちなみに家庭用の生ゴミ処理機は、1回の最大処理量1kg〜2kgで、処理時間はおよそ半日である。サイズはふつうの家庭のゴミ箱程度。生ゴミ処理機は、例の近所のホームセンターでの買い物リストにはない。自前のものだとすると、最大処理量1kg程度の小型のものだと思われる。そうだとして、フル稼働で1日2回転。25日から家宅捜索が行われた29日未明までの丸4日間で、8kg程度は処理されたと考えられる。

また、小型冷凍庫は2万円〜3万円の範囲で、100ℓ〜120ℓ入りくらいのものが買える。100ℓあれば、人体の相当部分が収納できるのではないか。2万円〜3万円の範囲としたのは、この25日のホームセンターでの買い物の総額が、折りたたみ式ノコギリ、まな板、バケツ、ポリ袋などを含めて約3万6000円分とされているからである。またこの程度の冷凍庫のサイズは50×50×90cmくらいである。



さらにいくつかの小さな疑問がある。

(疑問2)
24日に予定されていて、当日に急遽中止されたクリスマスパーティの開始時間は、いったい何時に設定されていたのか? それは被害者が殺害されたはずの最も早い時刻、午後7時1分の直後からでも中止を周知できる時間だったのか?

(疑問3)
渡邊佐和子さんが行方不明になったのは12月24日の午後7時過ぎ。仮に森島輝実容疑者が殺害したのだとしても、翌日の午後に被害者の口座から現金を下ろし、小型冷凍庫、折りたたみ式ノコギリ、まな板、バケツ、ポリ袋、塩酸入り洗浄液など死体遺棄のための道具を買い揃えるというのは手際がよすぎるのではないか?

(疑問4)
司法解剖によると死因は窒息死である。29歳の、身体能力がとくにすぐれているようにも見えない女がひとりで25歳の女を絞殺あるいは他の方法で窒息死させることは可能だろうか?

(疑問5)
「部屋には頭蓋骨と肉片がありますが、いまは話したくありません」と森島輝実容疑者が供述しているのはなぜか?

(疑問6)
12月25日、渡邊佐和子さんの父親に「『24日夜から(佐和子さんと)連絡が取れない』、と連絡してきたという“娘の友人”とは誰か? また、その25日の夜、即座に渡邊佐和子さんの父親が門真署に相談の電話連絡を入れているけれども、これもまたあまりにも迅速ではないか?

〈回答2・3・4・5・6〉
2〜6の疑問については、ひとつの仮説を設定すれば、だいたい説明がつく。それは今回の事件には、森島輝実容疑者に共犯者がいるということである。たぶん1人。男で、シェアハウスの住人である。殺人については、むしろ男のほうが実行した可能性が高いと思われるのである。腕力もあるし。

で、24日の夜、森島輝実容疑者のマンションの自室に、渡邊佐和子さん、男と森島輝実容疑者の3人が集まったところで事件が起きたわけである。この3人のあいだにあったなにがしかの事情は、シェアハウスのほかの住人たちも知っていたのである。三角関係のもつれとかなんとか。であるからクリスマスパーティが間際になって取り止めになっても、急遽中止されるそのこと自体は起こり得るものと解釈されたのであろう。

で、そのシェアハウス仲間の1人がとくに異常を感じて、渡邊佐和子さんの父親に翌日、25日に電話をしたのである。この電話の内容は公表されていない。しかしきっとかなり踏み込んだ話がされたのである。それで父親は驚き、マンションの管轄である門真署に直接電話を入れたのである。その後の警察の動きもたいへん素早い。事情を知ったからであろう。

森島輝実容疑者は、共犯者の男と相談しながら、あるいは男の指示を受けて、死体損壊、遺棄の手はずを整えたのである。どうしても女1人の知恵とは思えないのである。なにしろ頭部を洗うための、塩酸入りの強力な洗浄液なのである。女が考えつくようなシロモノではないと思うのである。たぶん男がネット検索でもしたのであろう。

一方、その男は森島輝実容疑者の手もとに残った現金と、渡邊佐和子さんの当日の着衣、携帯電話などをもって逃走しているのだと思うのである。したがって逃走が開始されたのは、渡邊佐和子さんの口座からお金が下ろされた25日の午後である。所持金は、買い物の残金の10万円程度である。

森島輝実容疑者が「部屋には頭蓋骨と肉片がありますが、いまは話したくありません」と逮捕直後に供述したのは男が逃げる時間を稼ぐためか、あるいは自首を待つためにである。しかし、いまではすでに森島輝実容疑者は事件全体の供述をはじめているのではないか。警察がその発表を押さえているのではないかと感じるのである。

それは、おそらく警察は男の自殺を警戒しているのである。たぶん。シェアハウスの住人が 報道の取材に対して「なにも話せない」と答えているのもそのためである。警察から口止めをされているのである。また、男の身柄を確保さえできれば、社会的な影響が大きいと思われる遺棄の手口などをこと細かにマスコミに知られずにすむ。

というわけで、おそらく今日か明日にでも事件の全容が公表されると思うのである。時間の問題である。この原稿も、そうとう焦って書いている。終局を迎える時間が迫っているのでとりあえずはここまで。

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さて、私はまだ誰か共犯者がいたのではないかと疑っている。しかしそれはシェアハウスの住人ではなかったのであろう。シェアハウスの住人は重点的に捜査されたはずである。事件直後に出奔しているとなればとうぜん疑われる。



であるから、被害者の父親の警察への相談が早すぎるなどの疑問出しはお詫びのうえ取り下げる。そしてこのくだり、忘れていただきたい。



しかし、いずれにしろやはり弁護側が主張する「空白の15分間」にはいささかムリがあるように思う。それに女1人の犯行としては手際がよすぎる疑念は消えない。



そしていまふと気がついたのであるけれども、森島輝実はなぜシェアハウスに部屋を残したままマンションを借りたのであろう? 事件が起きるほぼ1ヵ月前、2015年11月下旬のことである。シェアハウスの家賃は3万円である。人から無心までしなければならない経済状態のときに家賃がダブル、さらに引っ越しの費用もかかるのに。



犬を飼ったから、あるいは犬を飼いたいから、という記述がどこかにあったように記憶するけれども、これもどこであったか思い出せない。申しわけない。すっかりボケてしまってのう。ともあれ経済的にはムリにムリを重ねたというお話である。



うむ。たぶん検察側はこれも渡邊佐和子さん殺害および死体損壊遺棄のための準備であったとしているのであろう。だがしかし、乱暴ないい方をしてしまえば人ひとりの命を奪うために、若い女がそこまでの準備をしようと思うであろうか?  「事件前に『人間解体』『死体の廃棄方法』など犯行を想定したキーワードでインターネットを検索し」、よし! これでいこう!! などと思うものであろうか?



殺すだけなのであれは計画はそちらへはすすまずに事故や自殺、あるいは死体損壊遺棄ではない方法で失踪に見せかける、という方向へすすむのがふつうではないのか?



そう考えてくると関連してもうひとつの可能性が浮かんでくる。殺人と遺体損壊そのものが目的ではなかったのか? である。サイコパス、サディズムという言葉が連想される。



2014年7月に起きた佐世保女子高生殺害事件を思い出していただきたい。加害者と被害者の同級生同士のあいだにはトラブルはなく、被害者は加害者のマンションで絞殺されたあと頭部と左手首を切断されていた。



加害者のマンションからはスレート切断用のこぎり、石頭ハンマー、テストハンマーが見つかっていて、また犯行の数日前には継母との会話のなかで、猫を殺して楽しいことや殺人願望について語っていたという。また逮捕後には「遺体をバラバラにしてみたかった」という供述もしている。精神になにかしらの異状があったのである。



石頭(せっとう)ハンマーというのは石工作業全般に用いられる、1〜2kgくらいの大きめのハンマーである。テストハンマーとは内蔵されているバネのチカラでコンクリート構造物を叩き、その圧縮強度を測るものである。




うむ。森島輝実が殺人と遺体損壊つまり解体に強い欲望を抱いていたのであるとすれば、女1人での殺害もあまりにも素早いそのあとの行動にもうなずける感じはある。ムリをしてマンションを借りたのもわかる。それを実行したくてしたくてしかたがなかったのであるから。




遺体を損壊した理由について森島輝実自身は「(渡辺さんの死が発覚することで)周りの人を悲しませたくなかったからだ」と弁明したことになっている。しかこれもすんなりとは呑み込めない。遺体が完全に処分されたとしてもその損壊の事実を知れば「周りの人」はもっともっと悲しむはずである。 



弁護側はまた「被告は母親の同居相手による性的虐待を受けて育ったが、母親を悲しませたくないとの思いから虐待を打ち明けることができなかったという。こうした生い立ちから、悲しい出来事(渡辺さんの死)を隠そうとする性格特性があると訴えた」としているけれども、家庭内での性的虐待の経験は「悲しい出来事を隠そうとする性格特性」ばかりを生むわけではない。虐待はまた虐待も生む。



うむ。であるから私の考える事件の真相は次のうちのいずれか1つである。

◆ 共犯者(殺人実行者)がいて、森島輝実はその人物をまだ庇っている

◆ 単独犯。森島輝実が抱えていたなんらかの精神的障害による



サディズム、カニバリズムについてはいまのところ考える材料がなく、根拠なくセンセーショナリズムを煽るだけになってしまうのでここでは取り上げない。



大阪地裁から判決が出されるのは今日(6月30日)である。どちらからも精神鑑定の要請が出なかったなど検察側、弁護側ともにもう一歩踏み込みが足りなかった感じがあるのだけれども、裁判員はどう判断するであろう? いずれにせよ控訴間違いなし、であると思う。(了)




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