SMAPの再結成とメリー&ジャニー喜多川の芸能界引退を求める「ジャニーズ探偵局」という団体があるらしい。同名のウェブサイトを開設しているというのでさっそく覗いてみた。文字がデカい。強い調子の色ベタが多くて、なんというのかコワモテな雰囲気である。
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「2月20日 衝撃告白第1弾公開!」の指示通りにクリックするとYouTubeに飛ぶ。「『SMAPそして嵐へ...』衝撃告白第1弾!」とタイトルが打たれた動画で“衝撃告白”しているのはフォーリーブスの元メンバー・北公次であった。黒を背景にした半べそ顔のアップ。どこにもすでに故人である旨の説明がないので一種異様な感覚に囚われる。北公次は2012年2月22日に63歳で亡くなっている。
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映像は何歳のときの北公次であろう? 暴露本『光GENJIへ ―元フォーリーブス北公次の禁断の半生記』(データハウス)を発表したのは1988年、39歳のときのはずだから、その直後ででもあろうか。「ジャニー!! メリー!!」と指をさし名指しして“子どもたちにとても酷いことをした”と糾弾している。いささかむくんだ目元からいまにも涙がこぼれそうである。しかし“衝撃告白”という割にはこれ以上の内容がない。なんだか腑に落ちない。
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『J-CASTニュース』(2017年2月22日配信)がジャニーズ探偵局の代表者にインタビューをして記事にまとめていた。抜粋してご紹介しよう。
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【「SMAPに土下座しろ」 メリー氏糾弾する「ジャニーズ探偵局」の本気度】
《「メリー(喜多川副社長)・ジャニー(喜多川社長)姉弟は元SMAPメンバーの前で土下座して、泣きじゃくりながら『再結成してくれ。そうでなきゃ私たちの身が持たない』と許しを請うべきです」
東京都内の事務所で、探偵局の代表者は開口一番、こう言い放った。本名を公開することや写真撮影は断られた。サイトの立ち上げは17年2月初旬だが、探偵局の設立は29年前にさかのぼるという。
きっかけとなったのは、1988年に元フォーリーブス・北公次さんの暴露本『光GENJIへ ―元フォーリーブス北公次の禁断の半生記』(データハウス)や元光GENJIメンバーの証言ビデオを発売したことだ。その中で、ジャニー氏による「少年虐待」の生々しい実態が告発された。
当時、探偵局はこうした動きを陰で仕切っていたといい、1991年に一定の成果を上げたとして探偵局は解散。その後、1995年には光GENJIも解散している。
しかし、2016年末に、ジャニーズ事務所の内紛が引き金となり、SMAPが解散する。
「このままだと元SMAPメンバーは、事務所に抹殺、粛清され、芸能界引退に追い込まれてしまう。(事務所に残る意思を示した)キムタクを除き、メンバーの明日はありません」
「探偵局」代表者は次第に、そんな強い問題意識を持ち始め、知人のSMAPファンが「SMAPロス」に陥り、心療内科へ通うようになったことがきっかけで探偵局復活を決意したという。そして、情報発信のために立ち上げたのが今回のサイトだ。これからSMAPの再結成、メリー氏・ジャニー氏姉弟の芸能界引退を粘り強く求めていくとしている。
代表者は「撃つ弾」は用意しているといい、
「背筋の凍るような情報が今、探偵局にどんどん寄せられています。これからそれを世間に出していきます。日本最大のスキャンダルが続々と暴かれていきますよ」
と語る。
既に、元光GENJIメンバーや北さんの証言を収録した映像を再編集してYouTubeに投稿。4月には、これに未公開映像を加えたDVDも発売する予定という。
さらに、最大100万円の謝礼をつけて情報提供を呼びかけており、すでにジャニーズ事務所の元従業員や元ジャニーズタレント、元テレビ局員から情報が寄せられているという。
「事務所と関わり、心に傷を負ったり、損害を被ったりした人はたくさんいます。そんな色々な経験をした人の映像を集めて発表します」
—〈略〉—
「ジャニーズファンは挙って応援してもらわないと。皆さん、自分たちの足元に火がついているのが分からない。私はファンの皆さんに檄を飛ばしたい。ともに手を取り、戦いを挑まないといけません。メリー氏のやりたい放題を許しておいていいんですか」
と語気を強め、最後にこう語った。
「メリー氏やジャニー氏は『自分たちは安泰だろう』と高をくくっています。ジャニーズ事務所には今、大きなメスを入れなきゃいけないんです」》
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たいへん申しわけないいい方になるけれども、ひとむかし前の総会屋を思い出す。あまり公にされたくない情報を握っているふうに見せては揺さぶりをかけ、株主総会にからめて企業から金をひき出そうとする手口である。これで仲間の誰かが素知らぬ顔で「あの連中を黙らすくらい簡単なもんじゃ」とかなんとかいって乗り込めば十八番のマッチポンプである。
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もちろんジャニーズ事務所は株式非公開だからそもそも総会屋のつけいるスキはない。ないけれども「ジャニーズ探偵局」側の話を額面通りに受け取る気持になれないのは俺が世の中の闇の中で生きすぎたん? (byほのかりん)
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いやいや記事を読むとおかしいところだらけなのである。いまごろになって活動をはじめたのは「知人のSMAPファンが『SMAPロス』に陥り、心療内科へ通うようになった」からで、「撃つ弾」も用意しているというけれども、どちらも怪しいと私は思う。いまさらのフォーリーブスと光GENJIではあまりに時代錯誤である。
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これはまったくのあて推量であるけれども、SMAP解散以降のジャニーズ事務所の迷走・衰弱ぶりに目をつけ、約30年も前の北公次ネタ、光GENJIネタのほこりを払って持ち出してきたといったのがほんとうのところであろう。代表は『光GENJIへ ―元フォーリーブス北公次の禁断の半生記』が発行されたときにその周辺にいた人物であろうから、すでに相当なご高齢のはずである。
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それは「元SMAPメンバーの前で土下座して、泣きじゃくりながら『再結成してくれ。そうでなきゃ私たちの身が持たない』と許しを請うべきです」という、いささか異様な、悪代官退治みたいな、おシラスのうえでの大岡裁きみたいな、大時代的な感覚にもよく表れている。
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しかも、むかしもそうだったはずであるけれども、ジャニーズになにごとか仕掛けるにしてはこれくらいのささやかなインパクトではお話しにならないのである。それでなくてもジャニーズ関連の事件はテレビ局がスルーしがちなのであるから、新聞・週刊誌が飛びつくくらいのものがないと、ねえ。うむ。だからそれはただいま募集中!!
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90歳と85歳の姉弟をつかまえて芸能界を引退しろとか、完全に仲違いしてしまったSMAPを再結成させるとか、「キムタクを除き、メンバーの明日はありません」だとか。発言がすべからくクイッとズレでいるのである。「皆さん、自分たちの足元に火がついているのが分からない。」とおっしゃられても私の足元のなにに火がついているのかわからないし。困ったなあ。
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付き合っておられんけワシはもう寝るけん。あ、ひとつだけ教えちゃろか。いましゃくるんならジャニーズではのうしてレプロエンタテイメントじゃけんね。ササラモサラにしちゃれい!!(by松方弘樹「仁義なき闘い・完結篇」)(了)
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